腰の痛みでお悩みの方へ

腰の症状について

背中側で肋骨と骨盤に挟まれている範囲のことで、上半身を前に倒す・後ろにそらす・横に倒す・左右にひねるなどの様々な動きに関わります。
腰椎と呼ばれる5つの骨で形成され、重い体重を支えるために横から見るとお腹側に少しカーブして、体を動かすときに起こる衝撃を逃がすしくみになっています。

ただ現代人は長時間イスに座ったりするなどの様々な理由で、このカーブを崩してしまうことから腰痛になってしまう人が多く見られます。
また脳から始まる中枢神経が腰椎の間から背骨の外に出るため、坐骨神経痛などの原因となりやすい部位となります。

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ぎっくり腰(急性腰痛)

骨盤を構成する腸骨と仙骨のジョイント部分が、不安定な状態です。 急性の症状の為、筋肉に炎症が起き、なったその日から2~3日の間が一番ひどく痛みます。
骨盤を支える筋肉(大腰筋)をゆるめ、骨盤を正常な位置に正すことで治癒します。

 



坐骨神経痛

背骨から出た坐骨神経は、お尻を貫いて太ももの後面を下がり、ふくらはぎを通って足に分布します。この神経の通り道が痛むのが坐骨神経痛です。

坐骨神経痛を病名だと思っている方がいます。しかし、これは「腹痛」等と同じように単なる症状名で、その原因としては腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離辷り(すべり)症、仙腸関節炎、梨状筋症候群、股関節疾患などさまざまです。

ここでは坐骨神経痛の主な原因である腰椎椎間板ヘルニアについてご説明します。



腰椎椎間板ヘルニア

ヘルニアとは元々体内にある組織(椎間板や髄核)が、本来あるべき所から飛び出している状態です。

ヘルニアによる腰下肢痛は、ヘルニアによる神経の圧迫、その周囲におこる炎症反応が関与しています。
下肢の痛みやシビレ(片側)・機能障害などのヘルニア特有の症状がでます。

しかし、ヘルニアの所見があっても症状がでない、腰下肢痛も訴えることもない人がいます。 痛みやシビレは、脳が感知することによって上記の症状が現れます。

このような理由からヘルニアに対する治療法は保存療法で様子をみるという考え方が一般的になってきました。 骨盤・仙骨のゆがみ・身体全体のバランスを整え、硬くなった筋肉をゆるめ、日常生活での姿勢を正していく事で、完治していきます。


椎間板ヘルニアの痛みの原因

痛みの原因や起こり方がすべて分かっているわけではありません。しかしこれを知ることは、椎間板ヘルニアを治す上でとても重要なことなのです。

興味深い実験報告があります。 手術の際に、椎間板ヘルニアのあった所に小さな風船を入れておき、麻酔から覚めた後に膨らませると、痛みを起こします。しかし、ヘルニアのなかった神経根の所では患者さんはしびれやだるさを感じますが、痛みは起こらなかったのです。つまり単なる圧迫では、痛みは起こらないのです。

普通、体の一部分を押しても痛くはないでしょう。

しかし、叩いたりしてその部分が赤く腫れ上がると、触っただけでも痛くなります。このようにヘルニアでは単に神経を圧迫しているだけではなく、その部分に炎症が起こって痛くなっているのです。

炎症がなくなれば、痛みはひいて、単なるしびれや、だるさだけになることが予想されます。これならば我慢できるでしょう。

ですから椎間板ヘルニア治療の主眼は、出っ張ってしまったヘルニアを引っ込めることではなく、その部分の炎症をおさえることなのです。



腰部脊柱管狭窄症

腰の神経の通り道である脊柱管が狭くなることにより、神経が圧迫されて起こるものです。

特徴的な症状は歩行障害で、しばらく歩くと脚が痛くなったりしびれたりして、歩くことが困難になるというものです。座って休むことで症状はなくなり、また歩けるようになりますが、しばらく歩くとまた症状があらわれます。

他の症状としては、腰痛、脚の痛み、しびれ、冷感、違和感です。 ヘルニアの場合の多くは片側ですが、狭窄症は両側に症状が出る点が異なります。




脊椎分離症・すべり症

腰椎を構成する椎骨にひびが入ってしまう疾患で、スポーツを行う学童期に多く起こります。
そして、分離症を放置した結果、隣り合った脊椎との間でズレが生じる脊椎すべり症に進行する場合があります。

当院での治療は、急性期は安静やコルセットによる固定が中心になります。
慢性期は腰椎や骨盤のバランスを改善することで周囲の筋緊張を緩和し神経周囲の血流を良くして痛みの軽減をはかります。

また、腹筋等の筋力をつけることも症状の改善、悪化の防止には重要ですので併せて指導していきます。